放心

気づいてなかった

ちょっとホッとした

 

まりちゃんはちょっとビックリしたように、でも、いつものようにまりちゃんが付けてくれたあだ名で挨拶をしてくれた。放心状態の僕をみて、寝てないの?って。

週明けから来ることは珍しくて、まりちゃんも意外だったようだ。すぐに気付いてないことはわかった。ひと呼吸おいて、今も心臓がバクバクなことを伝える。まりちゃんが強めに胸に手を当てて、早いと笑う。

 

動悸は収まらなかったけど、今朝の出来事を話す。

全然気づかなかった、周り見ないからと

 

申し訳なさそうに、でも楽しそうに笑っている。

 

気づかれなかった事に少しホッとした。あんなに気まずいものだと思わなかった。まりちゃんは髪色が派手だから目立つよね、変えようかな、と。

なんたって目立ちたくない人だもんね。

 

少し落ち着いて、コンカフェ巡りをしたことや週末の話なんか聞きながら、でも、すぐ隣にいたんだなって、気持ちはふわふわしてた。店の中だったらこんなに普通に話せるのに

 

いったい何だったんだろう

 

あんなにドキドキするもんなんだな

 

恋してる人の目だね

まりちゃんはまた笑う

 

誰かに会って、心臓がバクバクすることなんて、まりちゃんに会わなかったらもう一生なかったかもしれないな、いや、ないでしょう。

 

今度は周り見るね、

 

ホントかな?まりちゃんが人見知りだったことを思い出す。 すっかり忘れてたけどね。

 

次は目合わせられるかな

 

いやいや無理だろう

 

手を振れる日なんて永遠に来ない気がする

 

でも

 

明日からまた朝活だ