久しぶりの雨で、仕事も予定がなかった。まりちゃんが住んでるであろう街に行ってみたい。車で2時間はかからない。普段なら多少躊躇するのだが、迷いはない。

 

最近ドライブしたい衝動もあった。2時間くらいがちょうどいい。平日なら混むこともないし。行ったことのない街に行くのは楽しみだ。ある程度知ってる道を抜けると、後はナビを頼りに進むだけだが、きっとまりちゃんも通ってるであろう道を走ることは感慨深い。

 

まりちゃんは田舎に住んでると言っていた、東京出身だというと羨ましがっていた。東京の田舎だよって言っても、でも東京でしょ、と。

 

人影もまばらな駅。さびれた商店。雨の中、学生の団代が駅に向かっている。確証はないけど、この辺りなのかなって。車を停めてしばらく駅を見ている。降りてこないよな、さすがに。

 

ゆっくり車を走らせながら、駅の周辺を見て回る。若い人が集まるような店はない。しゃれたカフェもないし、ショップもない。でも、ここに帰ってきて、ここから出かけるのかな。

 

近くの大型スーパーに寄ってみる。駐車場も店も平屋だ。日常の食品を買うだけのスーパー。ゲームコーナーもない。

 

すぐそばに郊外のランドマーク、土地があるって証拠のようなアウトレットモールがある。ここに来たことは言えないけれど何かお土産を買っていこう。

 

高価でなく、もらって嬉しいもの。

 

まりちゃんといつものように差し入れを見せながら会話を弾ませる。可愛すぎない花柄のスリッパ。普段履いてる足元だけ色気のないスリッパが気になっていたから。

 

さっそく履いてきたよ

 

かわいい。

 

スリッパを履くたびにたまにでも思い出してくれたら、そんな事は考えてないけどね。