まりちゃんと出会って僕の生活は変わった。
朝はホームページの、見たよ、を押すことから始まって、カフェでの朝活。1日に何度もHPを見ては変わってない日記や出勤日を確認する。
外に出ては、まりちゃんが好きそうなもの、食べそうなものを探してしまう。
毎日店に行くわけには行かないから、もう退勤の時間だなとか、時間が伸びたとか、今日は女の子が少なかったから忙しかったかなとか考えてる。
髪色の派手な子を見るとまりちゃんかなとは思わないけど、やっぱり若いな、と思ったりする。
でも、まりちゃんの生活は変わっていない。半年前から同じ時間に出勤し、同じ時間に退勤する。たまに遅番をし、終電近くに帰こともあるだろう。
帰りにラーメンを食べることもあれば喫茶店に寄ることもある。日記の情報だけど。
本指名のお客様さんから差し入れをもらい、写真指名を受ける。入店からのお馴染みさんもいるかもしれない。
そんな時に、たまたま僕が店に来た。
フリーで入り、指名するようになって、月に何度も通うようになった。差し入れをし、プライベートのこともたくさん聞いてもらって、いつしか年は離れてるけど友達のように感じるようになっていった。実際、一番顔を合わせてるのは間違いなくまりちゃんだろう。
でも、まりちゃんの生活は何も変わっていない。
まりちゃん自身も何も変わってないだろう。
遅いから心配で送ってあげたいとか、まりちゃんにとっては別に今に始まったことじゃ無いし、お腹が空いたから帰りに1人でカフェに寄るとか、何も変わらない日常なんだ。
遅くなったから送って欲しいと連絡なんか来るわけないし、甘いものが食べたいから一緒にカフェに行こうなんてある訳がない。
まりちゃんにとってずっと変わらない生活だったんだから。
夢を見れることはありがたいことだけど、現実は甘く無い。気持ちが沈むこともある。
がち恋ってやつか
いい年したおっさんが
参ったな
こんな時は、あの人懐っこい笑顔を思い出す。 入ってきた時の〇〇さんの声を思い出す。
また会いたくなる。
推しの幸せが幸せ
ガチ恋はお店の中だけ
そう弱々しく自分に言い聞かせる